わたしはわたし👞

~国内外を転々としながら楽しい生活をめざして奮闘中~

どうせ下るんなら、自分らしく楽しく下ろうじゃないか

明日から始まる「自分をアップデートする旅」に向けて、朝からゆっくりとスーツケースに荷物を詰め込んでいた。そして、あらかた詰め終わったスーツケースを見て、

(あぁ、本当に明日から、1ヵ月も海外を周遊するんだなぁ)

と、旅に出る実感が沸いてきた。

ここに至るまで、本当に色んなことがあった。

去年1月にマンモグラフィー検査で要精密検査になったことがきっかけで、20代の頃に抱いていた「世界一周」への想いが再燃した。それを旦那が行ってきなよと背中を軽く押してくれたのだ。

が、なかなか先に進められなかった。

まずは費用と旅行期間が問題だった。半年以上かけて世界一周する場合、予算は200万円くらいと聞いたことがある。もちろん、旅行期間や回る国数、旅行スタイルによって異なるだろうけれど、長く家を不在にすることや200万円も家計から出すことははばかられた。なんせ、私のライター業は、ほぼ開店休業状態なのだ。

しかし、旅行作家の下川裕治さんが、コロナ禍に約1ヵ月で世界一周し、本を出されていることを知り、思った。

(約1ヵ月で予算約100万円で世界一周するなら、行けるんじゃないか?)

100万円なら、帰国後にせっせと働いてまだ取り戻せるレベルだと思ったのだ。

世界一周航空券の見積もりを取り、約100万円で行けるのではないかという感覚を掴んだものの、そこからまた先に進まない。次に私を止めたのは、自分の頭の中に繰り返されるこんな声だった。

(40歳にもなって、ろくに働きもせずに、世界一周して本を書くなんて。何を夢みたいなこと言ってるの?)

私はこんなふうに世間から思われるのを恐れていた。20代の頃からずっとこんなふうにして、自分で自分を不自由にして生きてきたのだ。

この壁をぶち破ってくれたのは、カウンセラーの資格試験の勉強仲間たちの言葉だった。

「世界一周して本を書くなんて、私、聞いてるだけでなんかワクワクしてきた!」

「本を書いたら教えてくださいね!買いますから」

「無事に、行けるといいですね」

この言葉に大きく後押しされて、2023年10月末出発の世界一周航空券を買ったものの、出発2週間前に祖母が亡くなり、キャンセルに。

その後、資格試験が2024年1月末にあることや、年末に足の小指をドアに強打して全治2カ月の骨折をしたため、出発時期を2024年2月に再設定した。が、また先に進められない。

行先、フライト、ホテル、現地のアクティビティ・・・計画を進めれば進めるほど、準備しなければならないことがたくさん出てきて、面倒になってしまった・・・。

(夢は実現などせずに、夢として抱いておく方が幸せなんじゃないか?そうすれば、楽しいことだけ想像していられる)

世界一周は辞めようと思い始めた頃に、骨折した足の小指を診てもらっていた整形外科の先生に喝を入れられた。

「行った方がいいと思うよ。人生は短い。わしなんか行きたくても行かれへん」

次は海外から戻ったら来るようにと先生に言われ、えぇい、もう行くしかない!と、勢いで世界一周航空券を買い(その後、柔軟性がなく使いづらくてキャンセルし、片道チケットを買い繋いでいくことに)、今に至る。

私は意外と優柔不断だったんだなぁ。

もう20代の頃のように、世界一周すること自体にこだわりはない。

その代わりに、残り半分の人生を楽しく生きていけるヒントをこの旅で見つけたい。

心理学者のユング曰く、中年になると、人生は下り坂に突入していくのだそうだ(人生の午後と言う)。確かに気力や体力が失われてきて、病気にもなるかもしれない。ある程度、将来も予想がついてくる。

でも、どうせ人生を下るんなら、自分らしく楽しく下りたい。

今回の旅がその足掛かりになることを祈る。