早朝から宿の天井の上で、ガタガタと音がしてやかましい。一体何かと思ったら、子連れ猿の一家が私の部屋の上やらバルコニーやらを飛び回っているではないか!
「おらあぁ!どっか行かんかい!やかましいねん!」
と窓を叩きながら目を釣り上げて、ドスのきいた声で叫んだが、餌をくれると勘違いしたのかこちらに寄ってくる。
こういう時はどうするか。
私は風呂場でタライに水を汲み、バルコニーにいる猿めがけてバシャー!!と、何回か水をかけてやった。
「人の安眠を妨げやがって!」
すると、この部屋の住人やべえわという感じで、最終的には猿は去っていった。気づけば、朝から1時間くらい猿と格闘していた…。
さて、今日は、チベットの仏画をリーズナブルにゲットする旅に出る。「ノブリンカインスティテュート」というチベット文化温存センターのような場所で売られていた仏画は、10万円以上もしていた。
もちろん、質の高い作品なのでしょうが、平民および本物と偽物の区別もつかないような私は、それなりの雰囲気が出ているリーズナブルな仏画で十分。ホテルの近くにある、土産物屋が立ち並ぶエリアで探すことにした。
1軒目の店に入る。
仏画をいくらか見せてもらい、値段を聞くと、A4サイズで7,000ルピーだという。約12,600円だ。高い。負けてくれないか聞くと、6,000ルピーに下がったが、まだ1万円以上する。隣の店に行ってみる。
2軒目。
先ほどと同じA4サイズで、4,500ルピーだという。8,100円か。まだ高い。4,000ルピーに負けてくれたが、別の店に移る。
3軒目は、私が欲しいタイプの仏画がなかったので、話にならない。一旦諦めて、ホテルに戻ることにした。
ホテルのほど近くにも、仏画ショップがあった。A4サイズのものの値段を聞くと、なんと2,500ルピーだという!危なかった〜さっきの店で買わなくてよかった。気に入った絵があったので、もうちょっとまけてくれないか聞くと、2,000ルピーまで下がった。これで3,600円で買えたことになる。
「これらの仏画はダラムサラで描かれたものですか?それともチベット?」
とお姉さんに聞くと、実はネパールから仕入れているのだそうだ。しかも、この店が他の近所の店に卸しているらしい。
「他の店は、嘘をついたりして、結構高く売ってますね。私たちはそんなことはできません。いっときの儲けではなく、長い目で考えないといけません。あと来世のために良い行いをしなくてはね」
このお姉さんはネパール人で、旦那様はチベット生まれのネパール育ちらしい。ネパールに仏画アーティストの親族がいて、その作品を世界中に販売しているのだとか。ちなみに、ネパールとチベットの仏画のテイストは、やはり違うようだ。本場だけあって、チベット製はものすごく高いのだそう。
私は非常に良い価格で仏画を買えたので、ほくほくしながらホテルに戻った。私がいる時だけホテルの部屋に飾ろうかと思ったが、お姉さんがキレイに筒に入れて封をしてくれたので、封を開けるのは、帰ってからのお楽しみとなった。
そろそろ日本に帰って、仏画の封を解いたり、いつも遊んでもらっている地域猫を撫でたりしたい(笑)。
ダラムサラの滞在は、残すところ4日となった。
#インド #ダラムサラ #旅行