1週間の滞在はあっという間に過ぎ、今日、ダラムサラを発つ。あれだけやかましくて苛立っていたマクロードガンジでさえも、去るとなると寂しいもので、ホテルをチェックアウトする前に少し歩いた。
チャイ屋で出勤前のチベット人と肩を並べてチャイを飲み、ホテルに戻る。
ホテルのスタッフに世話になった礼を言い、ラジさんに空港まで送ってもらった。
今回のダラムサラの旅がとても充実していたのは、ラジさんとの出会いが大きかったように思う。彼はタクシーの運転手という役割を超えて、私をダラムサラのさまざまな場所に案内してくれた。そして、いろんな話をしながら心の交流ができたことが、うれしかった。
タクシーをチャーターした日以外にも、車がないと訪れにくい場所へ、良心的な値段で送迎してくれたのもありがたかった。
7日間の滞在中、ラジさんに出会った日を含めて、4回も顔を合わせていたことになるので、空港に着いてしまうと、なかなか寂しいものがある。
私はラジさんと握手をしながら言った。
「あなたのおかげで、ダラムサラを楽しく旅することができました。ありがとう」
次はもっといろんなところへ案内するよ。連絡を取り合おうと言ってもらい、笑顔で別れた。
私はこれまで22カ国訪れたことがあるが、今回のダラムサラの旅は、その歴代旅行の中でもトップ5に入ってくるほど、充実していたように思う。
有名な観光地やグルメを堪能したわけではないが、インドの雄大な自然と穏やかなダラムサラの人たちに囲まれて、心穏やかに過ごすことができた。それに、お坊さんやチベット人など、いろんな人と話す機会があり、記憶に残る話題も多い。
どんな話をしたのかは、別途記録するとして、先ずはダラムサラからデリー、そして香港へ向かい、大阪に帰る長旅に備えなければ。深夜便は、体にこたえる・・・。