「誰や！こんな時間に貝を吹いてるのは！」
猿が来なくなったと思ったら、大きな貝の音で起こされた。時間を知らせるためなのだろうか。まだこんなに暗いというのに。インドの朝は忙しない。
さて今日は、1時間くらい歩いて、ダル湖へ行く。特別にきれいな場所というわけでもなさそうだが、車の少ないところに避難したいのだ。
相変わらずクラクションの音が鳴り響いているマクロードガンジを離れ、山道を登っていく。この上には瞑想センターがあるからか、お坊さんも歩いておられる。
とても静かで、鳥の鳴き声と自分の足音くらいしか聞こえない。私は一歩一歩、ゆっくりと歩くことだけに集中する。まるで、歩く瞑想みたいに。
途中、たくさんのタルチョが風に舞う美しい道があった。よくこんなにたくさん吊るしたなあと感心してしまう。
Googleマップ片手に歩いていたが、ついに迷って、方向がわからなくなってしまった・・・。こういうとき、登山およびハイキング時の道先案内人役である旦那がいないのは、本当に困る。
仕方がないのでトゥクトゥクに乗って、ダル湖に到着。湖の水は濁ったおぞましい色のグリーンで、こんなところに魚が生きていられるのが信じられない。
まぁ、広々としていて開放感があるし、静かなので気に入った。ベンチに腰掛けて、露店で買ったモモを食べる。
風はほどよく冷たく、陽の光はほどよく暖かい。ベンチで何をするでもなく、ぼんやりと過ごす。
お坊さんたちがピクニックをしている横で、牛がくつろぐ。何回もポーズを変えて、写メを一生懸命撮る男性や家族連れの人たちがいる。子どもたちがスクールバスの中で、大きな声で歌を歌っているのが聞こえて、なんだかのどか。
どれくらいの時間をぼんやりとしていたのだろうか。そろそろ宿に戻らないと。
帰りに小さなチャイ屋に寄って、マサラチャイを啜りながらシナモンロールを食べた。店員さんは忙しそうに、しかし、楽しそうに、皆においしいチャイを淹れていた。
私もいつか、自分が満足できる役割を見つけられるといいな。
#インド #ダラムサラ #旅行
