わたしはわたし👞

~国内外を転々としながら楽しい生活をめざして奮闘中~

誰がそんなところへ行くか!

新年に家族でご飯を食べに行った時のこと。

「そういえば、去年行ったインドはどうやったん?」

と弟に聞かれたので、滞在したダラムサラの1日の雰囲気を教えてあげることにした。

まず朝は、ホテルのテラスで遊んでいる猿がやかましくて目が覚める。その後、どこかのカフェで買ってきたパンを食べて、お腹を壊す。前日もこのパンを食べた後にお腹が痛くなったので、パンに何らかの問題があるのに違いない。一体どうやったらパンで食あたりを起こすのかよくわからないが、どうせ消費期限の管理などしていなくて、売れるまで棚に置いていたのだろう。

腹痛がおさまって外出すると、狭い道をじゃんじゃん走っている車に、大きな音でクラクションを鳴らされ続ける。

「プップー!!ププププー!!!!」

あなたの後ろに車がいますよ。という意思表示なのだろうけど、精神衛生上、悪いったらない。日本のように「プッ」と、ちょっと鳴らすとかいうレベルではなくて、これでもかというくらい鳴らされる。ちなみに、このクラクションは、私のような凡人もお坊さんも等しく鳴らされる。私はひそかに見てしまった。プープークラクションを鳴らし続ける車に、尼さんが何やら暴言のようなものを吐きながら、キレているところを・・・。

後ろからくる車だけではなく、足元にも注意が必要だ。野良牛の大きなウ〇チが落ちていたり、水道管が破裂して、シャーッと水が噴き出たりしている箇所がある。頭上もなかなかのもので、ある商店の屋根からは、毎日結構な量の水がしたたり落ちているし(屋根の上にあるタンクが故障しているみたい)、ある日、突然、「パーンッ!パパパーン!!」という音とともに、電線で火花が散った。慌てふためく私とは対称に、周りにいたインド人たちは何の反応も示していないのが逆に恐ろしかった。日常茶飯事なのだろうか。

そんな感じで疲れてホテルに戻り、さぁ、寝ようと思うのだけれど寝られない。どこかで結婚式が行われていて、「ドーンッ!ドーンッ!ドドドーンッ!!!」と、鼓膜が破れそうな音量の音楽が流れているからだ。しかも、夜中の12時過ぎくらいまで続く。

翌日の朝、今度は猿ではなく、大きな貝を吹く音で起こされた。まだ5時台やぞ・・・その貝の音には一体どんな意味があるんだ?何かを知らせているのか??でも私はインド人じゃないので、何のために吹かれているのか知る由もない。

「と、まぁ、こんな感じやけど、インドはいいところよ。自然が壮大で美しいし、インド人は親切やしね」

とインドをフォローすると、弟が言った。

「今までの説明聞いてて、誰がそんなとこ行くかっ!!」

そりゃそうか(笑)。

私はどうして、それでもインドに行くのだろうか。一体インドの何がこんなにも私を魅了するのか自分でもよくわからないが、インドへ行くと自分が何かから解放されて自由になれる感覚があるのです。

なんて話しても、誰も理解してくれないのだけれど。