わたしはわたし👞

~国内外を転々としながら楽しい生活をめざして奮闘中~

マレーシア料理で感じる不思議な一体感

東南アジアのネットニュースを読んでいたら、マレーシア料理の記事が目に入り、無性に食べたくなった。

さすがにマレーシア料理屋はないだろうと思いながら調べたところ、なんと三ノ宮にあるではないか。さすが神戸。しかも、マレーシアの中でも、美食の街として知られる「ペナン料理」とのことで、期待が一気に高まる。さっそく行ってみることにした。

目当ての店「マレーシアペナン料理梅花」は、三宮センター街の三宮さんプラザ B1にあった。ベトナム料理屋タンカフェのすぐ近くだ。

店内に入ると、2名掛けのテーブル席が5席ほどあり、壁には、マレーシアの国旗やペナンの民族衣装が飾ってある。

「どうぞ、奥の席に掛けてね。雨降ってた?」

70代くらいのおばあちゃんが、笑顔で迎え入れてくれた。彼女がひとりで店を切り盛りしているようだ。日本人が関西弁を話しているように見えるが、中華系マレーシア人かもしれない。

ダメもとで、ミーシアムという麺料理がないか訊いてみたが、やはりなかった。ラクサという麺料理はあるとのことだが、今回はナシレマを注文することにした。

「なんて豪華なナシレマなんだ!」

私がいつもシンガポールやマレーシアで、食べていたナシレマとはえらい違いだ。

カレーからマレーシア料理独特のスパイスが香り、爽快な辛さがある。ジャコとピーナッツをごはんに絡めて、カリカリと食べるのもいつもながらおいしい。マレーシアの味がする。

「マレーシアペナン料理梅花」の豪華ナシレマ

「マレーシアが懐かしいなぁ」

シンガポールに住んでいた頃に、マレーシアをよく訪れた時の思い出がよみがえる。

ペナンでやけど級の日焼けをして、皮膚科の先生に怒られたこと。シンガポールに飽きて、フェリーでマレーシアの離島へ逃避したこと。東洋一美しいと言われる夕陽を見に、シンガポールから高速バスで4時間ゆられて、マラッカへ行ったこと―—。

シンガポールのマレー料理屋で食べたナシレマ

そんなことを思いながらむしゃむしゃ食べていると、おばあちゃんが水を注いで回っていた。ひとりの男性が、おばあちゃんに「テレマカシ(ありがとう)」とマレーシア語で言ったので、私も「テレマカシ」と言っておいた。

すると、おばあちゃんは「もう!みんな、テレマカシばっかり言うんやから」と笑った。そんなおばあちゃんを見て、お客さん同士も「アハハハ」と顔を見合わせながら笑った。確かに、マレー語はテレマカシくらいしか知らない。

この店にいると、なぜが他のお客さんと不思議な一体感を感じた。

旅行で行ったとか住んでいたとか、マレーシアに縁や興味のある人たちが集っているかもしれないと思うと、互いに共通点があり安心するのだろうか。そんな私たちを、おばあちゃんが温かく包んでくれる。

ひとりで来たけれど、店を出る頃には、なんだか他のお客さんたちと一緒にごはんを食べたような気分になり、楽しかった。

次は、ラクサを食べに来ようかな。