わたしはわたし👞

~国内外を転々としながら楽しい生活をめざして奮闘中~

なぜこんなところに?ラオスの悲劇

ラオスのルアンパバーンで泊まった宿には、なぜかベッドの横に湯船が置かれていた。シャワーは別の空間に、トイレと共に設置されている。

なぜこんな所に湯船を置かなければならなかったのかは分からないけれど、お湯もきちんと出るし、排水もされるので問題なさそうだ。海外は高級ホテルに泊まらない限り湯船がないので、ラッキーだと思った。

このベッドの右側に湯船がある

当たり前だけれど、湯船にお湯を入れると、部屋中がもあぁ~っとした湿気で包まれる。壁には水滴がしたたり、ベッドのシーツはジメッとした。いつか乾くだろうとあまり深く考えずに、私は毎日、室内を湿気全開にして、バスタイムを楽しんでいた。

ラオス滞在の最終日。この日も、ルンルンしながら、湯船に湯を張った。そして、パンツ一丁になったところで、茶色のカサコソとした”アイツ”が壁を這っているのを見つけてしまったのだ。

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!どうしよう!!」

見失うまいと目で追っていると、”アイツ”がどんどん近づいて来るではないか。こうなったら真っ向勝負するしかない。近くにあったぶ厚めの雑誌で勢いよく叩こうとしたが、敵はあまりにもでかかった。こんなサイズは見たことがない。ついに、私の精神的な許容範囲を超えた。

「ぎゃあぁぁぁぁ!!ムリ!!」

唐突にベッドの横に置かれた湯船

必要最小限の衣類だけ身に着けて、一目散にフロントに助けを求めに行った。ドデカイ”アイツ”が出たこと、耐えられないので部屋を替えてほしいことなどを必死に伝えると、フロントにいたお兄ちゃんは、慌てふためいている私を見て、アハハハハッ!と笑った。ラオスの人にとっては、そんなことは日常茶飯事でどうってことないのかもしれない。日本で言う、庭でダンゴムシを見つけた程度か。

1階の角部屋から2階の部屋に移った。これでやっと安心して寝られると思いながら、布団をかぶると、今度はなんだかあちこち痒い・・・。ダニなのか何なのか、布団には虫がいるようだ。仕方がないので、持参していた布を代わりにかぶり、睡眠導入剤を飲んで強制的に寝てしまうことにした。当時、私は不眠症を患いながら、3ヵ月間、アジア各国をひとり旅していた。

いい宿だったんだけどね

そういえば、ルアンパバーンに来る前に泊まった、首都ビエンチャンのホテルでも、こぶりの”アイツ”に出くわしたっけ。室内に湯船なんか置いたから、湿気を好んで”アイツ”が出没したのか、それともラオスの下水道整備の問題なのか、定かではない。

そんなことを考えながら、うとうとしていると、別の部屋からも「キャーッ!!」という悲鳴が聞こえたのだった。