わたしはわたし👞

~国内外を転々としながら楽しい生活をめざして奮闘中~

「カミーノ!女ひとりスペイン巡礼、900キロ徒歩の旅」を読んで

「9年連れ添ったイギリス人夫から離婚を切り出され、仕事も失い、スペイン巡礼の傷心旅行に出た」

という本の紹介文に惹かれて、図書館で借りて来た。

スペイン北西部にある大聖堂「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」をめざして、約900km歩く巡礼「カミ―ノ・デ・サンティアゴ」。Youtubeで観たことがあり、興味があった。信仰心の強いキリスト教徒はもちろん、人生をリセットしたかったり、自分を変えたかったり、巡礼の動機はさまざまなようだ。

ちなみに、観たYoutubeはこちらです。

www.youtube.com

本書では、夫も仕事も失ったという筆者の私生活が赤裸々に綴られており、読んでいて気の毒になる。朝起きては泣き、ごはんを食べては泣き、何をしても泣いてばかりだった生活から一念発起し、人生を前に進めるために、スペイン巡礼に旅立つ。そこで出会ったいろんな人達もまた、離婚や死別、失業などの問題を抱いていたことを知る。人生の困難をさまざまな人達と分かち合いながら巡礼路を歩いているうちに、心境が変化していく―—。

約900kmの巡礼路を歩いたら、人は本当に変わるのだろうか。新たなスタートを切れるような心境になるのだろうか。もし自分が歩いたら、どんなことを考えながら歩くのだろう?と想像が膨らむ。

私は巡礼をすることで、人生を変えたいとは思っていない。私が見失っているであろう「大切なもの」をまた見つけたい。そして、それを心に焼き付けて、見失わないようにしたい。

その「大切なもの」を、7年前に、3ヵ月間、アジアをひとり旅した時に見つけた。当時、私は、高い収入や社会的なステータスを追い求めて、自分の健康を害しながら働き、ついに体を壊した。それで、一旦、人生をリセットするために、ブータン、ベトナム、ラオス、ネパール、インド、スリランカなどを旅したのだった。

あの時、健康や人とのつながり、自分が旅先でしてもらったように人に親切にすることなど、金で買えないものほど、大切にしなければならないと学んだはずなのに、私はその旅の教えを忘れてしまったようだ。この「大切なもの」さえ心に刻んでおけば、どんな時でも幸せに暮らせるというのに。

「カミーノ!」を読みながら、そんなことを思い出したのだった。