昔、オーストラリアで乗馬体験をしたことがあるのだけれど、思いのほか楽しかった。
「乗馬なんて、貴族かよ。ケッ」
と思われるかもしれないが、乗馬教室に通うのではなく、ストレス発散などで単発的に乗るだけなら、飲みに行くのを1回控えるくらいの値段で楽しめる。
たとえば、三木ホースランドパークでは、森の中を30分歩くコースは5500円(平日)。
意外と手頃かも。
私なりの乗馬の楽しさは、主に3つあります。
1つ目は、馬の佇まいが美しくて、見ているだけで癒されることだ。
サラサラの毛並みに、優しい目。鍛えられた筋肉質な身体がたまりません。
2つ目は、非日常感。馬に乗ると、視線が普段よりもかなり高くなって、とっても新鮮。自分がまるで巨人になったかのような気分で、風景を違った風に見られるのが面白いのです。
それに、馬の背中でゆっさゆっさ揺られながら、自然の中を歩くのはとても気持ちがいい。途中で、少しだけ走らせてもらえたのだけれど、体が上下に激しく揺られ、お尻が宙にかなり浮き、地面に落っこちるんじゃないかと、恐ろしかった(汗)。
そして、何よりも面白いのは、言うことを聞いてくれない馬を必死に操ることです(笑)。まぁ、操られていたのは私の方だったのだけれど。
私が乗ったのは、この「ミンティ」という問題児ならぬ、問題馬。
たずなの持ち方や、馬に草を食べさせないようになど、インストラクターが注意事項を一通り説明した後、私に言った。
「ちなみに、この子、何でもガシガシ噛むんで、噛まれないように気を付けてくださいね」
そんな馬を、乗馬初体験の私にあてがわないでくれ・・・。
この日は私を含めて、5人が乗馬体験に参加していた。
みんなで一列に並んで、森の中を約1時間歩くのだけれど、私の馬だけしょっちゅう列を離れて、道端の草を食べに行くではないか。
「コラ!!草ばっかり食べとらんと、列に戻らんかい!!」
と、たずなをひっぱりながら、オーストラリア生まれの馬に関西弁で叱るも、全く聞いちゃいない。
たずなをグッと引いて食べるのをやめさせたいのだけれど、馬の力が強すぎて、たずなが持って行かれる。食べ終わるのを待つしかない(泣)。
「草を食べさせないでください!」と、怒るインストラクター。
いやいや、参加者の中には乗馬経験者もいるのに、なんで言うことを全く聞かん馬を、初心者の私に割り当てたんだ?
その後も「コラ!右や!」「こっちにこんかい!」「ああぁぁぁーーーー!!!」などと、ミンティと会話をしながら、乗馬を楽しんだ。
このように、もし悩み事が頭から離れなくなったら、乗馬がオススメ。
慣れない馬に乗るのに必至で、悩んでいる暇がなくなる。いろんなことにあわあわして、乗馬をし終わった後は、きっと悩み事はどこかに吹き飛んでいることでしょう。
久々に、ホーストレッキングに行ってみようかな。あの馬の優しい目が恋しい。