私は以前、ひょんなことから、小さなティースタンドを開店するに至ったのだけれど、これはとても楽しかったです。
機会があれば、またやりたいと思う。
何が楽しいって、まず、店のコンセプトや商品、値段、店名などを、好きなように決められるのが面白い。
私は、アジア各国のお茶の産地を旅するのが趣味なので、中国茶、台湾茶、マレーシア茶、インドのチャイなど、自分が旅先で出会って好きになったお茶を売っていた。
値段は1杯400~450円。
とある私設図書館の一画を借りて、毎週土曜日の午後だけオープン。週に何回も営業したら、疲れますから。
それから、お茶が売れるにはどうすればいいのかを、研究するのも面白かった。
値段を松竹梅の3種類にしたり(そうすると、大抵真ん中の値段のモノが売れる)、道行く人の目を引くような看板をこしらえたり、ドーナツを一緒に売ってみたり。
心理学の本を読んだり、いろんな店へ行って値付けやサービスの研究をしたりして、商いに関するいろんな勉強ができた。
ただ、最終的に私が学んだのは「来てくれたお客さんに楽しい時間を過ごしてもらえるようにすれば、お茶は勝手に売れていく」ということだったけれど。
そして、一番、店をやっていてよかったなぁと思ったのは、いろんな人と交流できることだ。
図書館の一画で営業していたので、子どもから学生、社会人、年配の方まで、幅広い人が本を借りに来る。そうしたさまざまな人と関われるのは、とても新鮮だった。
小学生の女の子がお菓子を分けてくれたり、お客さんがみかんを持ってきてくれたり。
お客さんが1人しか来ない日もあったけれど、ずっと営業し続けていると、徐々に定期的に来てくれる人ができていくのもうれしいもんです。
さて、「店を出すなんて、無理」と思われるかもしれませんが、小さく始めると意外とやれます。
いきなり店舗を借りるのではなく、シェアキッチンなどを利用して、安い家賃で週1回だけやってみる。
料理を出すのが大変なら、お茶とお菓子の販売から始めてみる。
ショップカードくらいはあるといいかもしれないけれど、とりあえず看板とメニューさえあれば、営業できます。
私は店をオープンした当初、ショップカードもホームページもなくて、その後、暇な時にコツコツ自作しました。
とりあえず、何か売ってみたいものや店のイメージがあれば、ふわっと始めてしまうのがオススメ。
やりながら、少しずつ理想に近づけていけばいいですから。
私は次は「旅好きの店主による、旅好きのための茶屋」というような店をやってみたい。
面白い旅行記を読みながら、世界各国のお茶が飲める場所(料理は面倒なのでやらない)。
老若男女の旅好きが集うめちゃくちゃ楽しい店にしたい!