わたしはわたし👞

~国内外を転々としながら楽しい生活をめざして奮闘中~

【ベトナム料理】珍しい中部の麺料理「フーティウ」を食べながら、人生レッスン

最近、三宮のセンター街にある「ホイアン」というベトナム料理屋にはまっている。先週に引き続き、今日も行くことにした。

まだ11時半だけれど、店内はほぼ満席。先週と同じ場所の2人掛けの小さなテーブルに案内された。どれどれ、今日は何を食べようかな。この店が好きなのは、メニューが豊富だからだ。フォーやバインセオなど以外にも、ベトナム北部でよく食べられているブンチャーや粥、炒め物まであり、選ぶのが楽しい。今回は、中部で有名だという麺料理「フーティウ」なるものを注文した。

料理が来るまで、人間観察をする。向かいの席には8人くらいのベトナム人団体がワイワイご飯を楽しんでいる。スパンコールがあしらわれた昭和の雰囲気漂うジャケットを着たお兄さんは、昼からビールを飲んでいて羨ましい。

私の右側に座っているおひとり様のお姉さんは、背筋をピンッと伸ばして、とても上品にご飯を食べている。が、どこかぎこちない。「あら、どうしよう。わたくし、こんなところに入ってしまって・・・」という感じで、そそくさと店を出て行ってしまった。

「お待たせしました~。味が薄かったら、このベトナムの醤油で味つけてください」と、店員さんが持ってきてくれたフーティウのスープは、フォーのように薄味。ウズラの卵、モツ、大根、豚肉、よく分からない肉、ネギやパクチーなどが雑多に入っており、とてもおいしい。ここにニラともやしをぶち込み、レモンをかける。麺が多くて味に飽きてきたので、テーブルに置いてあるチリソースを大量に入れて、味変する。

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私が麺をせっせと食べている間、左に座っている30代くらいの女性は、向かいに座っているお母さん(と思われる)に、さまざまな不満をぶちまけていた。子どもを預けている幼稚園の対応が気に入らないだとか、プライドの高い知人がどうだとか、会社の派遣さんがどうだとか。

「これにこのソースをかけて食べるんかな」とお母さんが言った後、不満を並べ立てていた女性が大きな声でこう言った。

「そんなんゆうたら、隣の人に笑われんで」

”隣の人”というのは、どうやら彼女の右側に座っている私のようだ。左側には、誰も座っていないから。

一体、私はどんなふうに映っていたのだろう?ベトナム通にでも見えたのだろうか?変わった麺料理を食べていたから?まぁ、確かにベトナムには何回も行っているが・・・。というか、私は自分の麺を食べるのに必死(?)で、見ず知らずの横の人のことなんてどうでもいいが・・・。

いろんな不満をぶちまけながら彼女は、私がよくわからない麵を注文したり、尋常じゃない量のチリソースを使いまくっているのをひそかに観察していたのだろうか。2度と会うこともない、隣に座った私のことをどうして意識するのだろう。

(女ってめんどくせぇな)

私も息をするかのように、不満ばかりが口をついて出てくることがあるが、彼女を見ていて今後はやめようと思った。ネガティブなことばかりが口から出てくるような人の生活は、さぞ楽しくないだろう。自分の生活をつまらないものにしているのは、自分なのだ。

他人は自分が思っているほど、他の人のことなんか気にしていない。皆、自分のことで精いっぱいなのだ。だから、人の目なんか気にせずに、自分らしく行こうじゃないか!

と思いながら、不服そうに麺をすする彼女を横目に、私は伝票を持って元気よく店を後にした。