わたしはわたし👞

~国内外を転々としながら楽しい生活をめざして奮闘中~

台湾2人旅の代償

台湾旅行から帰ってきた後、日本の生活があまりにも味気なく感じられて、無気力に陥っていた。

台湾では、毎日いろんな場所を散策し、目に入るものすべてが新鮮だった。日本に似ているようで違う南国ならではの街の雰囲気、たった1席しかないカット500円の小さな床屋、何が売られているのかよくわからないうらぶれた商店——。

それに、ホテルのレストランで、毎朝フレンドリーに迎えてくれた店員さんや、薬局でニコニコしながら話しかけてくれたおばあちゃん(何を言っているのかはよく分からなかったが・・・)など、親切で温かい台湾人たちが今も目に浮かぶ。

そんな楽しかった日々とは打って変わって、私は、ある資格取得のために通っている講座の小論文課題に奮闘していた。書いては消し、書いては消しを繰り返し、一体何を書きたいのかわけがわからないくなってきた。まずい。このままでは間に合わんぞ・・・。

そんな時に限って、ややこしいことが舞い込んでくる。来年1月までに、のんびり納品してくれればいいからと言っていた担当者が、今月に1本以上は記事を納品してくれないかなどと突然リクエストしてきた。

毎日毎日、自宅で、PCにもくもくと文章を打ち込む。私の生活のすべては、見慣れた街にある自宅の小さな個室であり、新鮮なことは何もない。そして、旦那以外に口を聞く人もろくにいない。

(台湾にいた時と、えらい違いだ・・・)

気分転換しようと思い、台湾映画を観たのがいけなかった。

台湾での楽しい日々を思い起こせば思い起こすほど、日本の生活が無味乾燥に感じられて、げんなりしてくる。

小籠包おいしかったなぁ・・・

日本の外には、刺激にあふれた国がたくさんあるのに、私はこんなところで、一体何をしているのだ?

こんな鬱々とした調子が続いたら、私は日本なんかでは暮らせなくなるのではないか!?

「あぁ”~!!台湾がもう恋しい!!」

と、リビングの柱にコアラのようにしがみついて嘆いていると、旦那がまたか・・・という感じでボソッと言った。

「来月また、台湾へ行く計画を立ててください・・・」

こんな調子で1週間をすごした後、突然ケロッと元気を取り戻した。今日などは近所の商店街へルンルンと出かけ、観光客に交じって、海鮮丼ランチまで食べてしまったではないか。

どうやら台湾にいた間、旦那の空咳とやかましいイビキであまり寝られず、台湾の厳しい暑さも合わさって、体調がすこぶる悪くなったことが原因のようだ。帰国後、しばらく調子が戻らず、ネガティブ思考が止まらなかった。

旦那が台湾旅行の終わりに、こう言っていたのを思い出す。

「いつもみたいに長時間のPC作業はないし、夜中にイビキをかいて君に叩かれる時以外は良く寝られたし、めっちゃ健康的な生活だったよ♪」

空咳はしかたないとしても、あんたの肥満が原因のイビキのせいで、わたしゃ寝られず、蓄積した疲労を回復できんかったわい・・・。

旦那が痩せてイビキをかかなくなるまで、しばらく一緒に旅行はするまいと、密かに心に誓ったのだった。