孤食の寂しさを和らげるために注文した特大ミッフィーが、我が家にやって来た。
思っていたよりも小ぶりで、そのままイスに座らせると、顔がテーブルに隠れてよく見えない。イスの上にふかふかのクッションを敷いて、その上に座らせることにした。
さて、いつも通り旦那は不在の夜。ぼっち飯の時間がやってきた。
キノコと鮭のカルボナーラを載せたお盆を、よっこらっしょっとテーブルに置き、席に着く。すると、目の前には、昼間に座らせておいたミッフィーがいた。
ミッフィーは、何も言わずに、じぃ~っとこちらを見ている。
その可愛らしさに和む一方で、無言で見つめられていることに、ちょっぴり緊張する。とりあえず、ごはんを食べてみよう。
むしゃむしゃ。
じぃ~。
・・・むしゃむしゃ。
じぃ~。
・・・。
私は何だか奇妙な気持ちのまま、食事を終えた。何せごはんを食べているのを、終始じっと見つめられるという経験はないものだから。それに、自分だけがむしゃむしゃと食べているのが申し訳なくなり、ミッフィーに何か食べ物を出したくなった。
さて、ミッフィーは私の孤食の寂しさを和らげたか?
答えは「かなり和らげた」だ。
今まで、1人でごはんを食べているときに見えていたのは、誰も座っていないイスや私以外には誰もいない寒々としたリビングだった。
今は、食事中、ずっとミッフィーを見るようになった。このなんとも言えない愛らしい表情に癒されるし、ぬいぐるみとはいえ、誰かが目の前にいるような感覚を覚える。もう私はぼっちじゃないのだ。
いっそのこと、ソファにも、いろんなぬいぐるみを座らせてみようかしら?
旦那の座るスペースが、1mmもなくなるくらいに。