ホテルからアパートに引っ越ししてから、ずっと悩まされているのが近隣住民の騒音問題。音に過敏な私の神経を徐々に蝕み、早くもイタリア生活19日目にして、日本への撤退も頭によぎる事態になってきた。
まず、下の階の住人。引っ越しした日の夜から、さぁ、寝ようという時間に旦那の部屋の下からアフリカンミュージックが聞こえてきて、先が思いやられた。なんだか大きな笑い声も聞こえてくるので、我々は勝手に、きっと陽気なアフリカ人が数人住んでいるのだ。アフリカ人うるさいなぁなどと思っていた。
昼間もこのアフリカ人の声が聞こえてきて、何を言っているのかわからないけれど、「ぎゃー!!!」とか「ほほほーい!!」とか叫んでいる。日本人の感覚からすると、尋常じゃない叫び声で、何か宗教的な儀式でもしているのか?それだったら仕方がないから文句は言えない。などと思っていたのだが、そんな感じではない。何やら数人で楽しそうに騒いでいるのだ。しかも、やたらと窓のシャッターを開けたり閉めたりしてやかましい。
「うるさい!!シャッターで遊ぶな!!お前ら初めてイタリアきて、シャッター見たんかよ!!」
私はひとり、部屋で憤っていた。この尋常な叫び声は昼夜を問わず、定期的に聞こえてきた。
ある夜、23時を回っても、下の階から数人のやかましい騒ぎ声が聞こえてきて寝られない。私はイタリアに来てから、始めは旦那のいびき対策のために、その後はこのうるさい近隣住民のために、ずっとノイズキャンセリングのイヤホンをつけて寝ていてストレスが溜まっていた。
私がもうほんま無理。と言ったその日、旦那は意を決して、下の階へ文句を言いに行った。
旦那がピンポンすると、夜遅い時間でもドアはすんなりと開き、中から早稲田大学の法学部にでも通っていそうなイタリア人の学生が出てきて
「チャオ」
と言ったのだそう。チャオ?チャオじゃねぇよ!と私なら日本語で突っ込んでしまいそうだが、旦那はチャオと反射的に言ってしまいそうになるのをグッと堪えて、怖い顔をし、
「静かにしろ!さもなければ警察呼ぶぞ」
というと、早稲田大学の青年は慌てて、すぐさま部屋の中にいる仲間に静かにするようにいい、ソーリーと詫びたのだそうだ。
夜中に突然、中国人みたいな男がやってきて、強めに怒られたのがこたえたのか、翌日から下の階は静かになった。
が、次は上の階だ。23時過ぎても、甲高い女の話し声がずっと聞こえてきてやかましい。夜中の0時を過ぎて帰ってきて、ハイヒールで家の中を歩き回るので、コツコツという音が下の階の我々の部屋に響いて目が覚める。
私はもう我慢の限界だった。アパートに引っ越ししてから、毎日毎日、夜寝るまでもうるさいし、寝ようとしてもうるさくて目が覚める。体力を回復し、異国でも健康で暮らすために、睡眠は何よりも大切なのに、それがずっと阻害されているのだ。ノイズキャンセリングのイヤホンをずっと耳にしているので、耳も痛くてたまらない。
もちろん、日本人とイタリア人の感覚は違うし、生活リズムも違うのはわかっている(ここの住人は相対的に夜が遅めだ)。
しかし、安心して寝られる環境がないのなら、はっきり言ってこの国で暮らす事はできない。
ミラノの街は割と気に入ってる。
でも、私は、日本へ引き返す基準を具体的に考えないといけないかなと残念ながら思ったのだった。
#海外生活 #イタリア #睡眠は大事