わたしはわたし👞

~国内外を転々としながら楽しい生活をめざして奮闘中~

偵察という名の裏切り?!オペラ座の怪人を観に行ったらば

「今度、一緒に観に行こうね」

と言い残して海外出張に旅立った旦那のために、今夜、私はひとりで、劇団四季劇場へ偵察に行くことにした。

オペラ座の怪人の開場まで、あと45分。まずは、カフェでワインを飲みながらパスタを食べて、腹ごしらえだ。公演は、休憩を挟んで18:30から21時までなので、確実に腹が減る。もうこの時点で、かなり楽しい。おいしい酒と食べ物があればすぐに幸せになれるなんて、なんてありがたい(めでたい?)性分なのだろう。

会場に入ると、平日にも関わらずほぼ満員だった。若者から年配の方まで、おひとり様からカップルまで、さまざまな人で埋め尽くされている。服装は思ったよりも、皆さんカジュアル。私の席は、1階の1番後なのだけれど、舞台は十分見える。ところで、チケットは劇団四季のウェブサイトで、おとつい取りました。

いよいよ、会場の明かりが消えて、公演が始まった!

私がこの公演を観て、感動したことは主に3つある。1つ目は、とにかく劇団員の歌声が美しいこと。よくもまぁ、こんなにきれいな声を出せるなぁと、聞き惚れてしまう。特に、仮面をつけたファントムの美声といったらない。聞いていると、すぅ~っと自分の中の何かが浄化されるのを感じる。

2つ目は、セットや演出がとても凝っていて、完全にオペラ座の怪人の世界に浸ることができる。ファントムがマジックみたいに一瞬で姿を消したり、あたかも水上で船を漕いでいるように見せたり、もちろんシャンデリアも落ちてくる。衣装も、とてもきらびやかだ。

3つ目は、自分が大学4回生の時にひとりで行った、ロンドンを思い出したことだった。当時、私は英語をほとんど話せなかったが、ロンドンブリッジやコベントガーデン、シャーロックホームズの館などを回り、フィッシュアンドチップスを食べ、格式ある劇場でオペラ座の怪人を観たのだった。その時のことを思うと、なぜか涙が出た。残念ながらこの時の写真が1枚もないので、近いうちにまたロンドンを訪れて写真を撮っておきたい。そうすれば、いつでも、昔味わった幸せを思い出すことができる。

そんなふうに、うるうるっとしながら観ていると、あっという間に2時間20分が経ち、幕が下りてしまった。が、皆、スタンディングオベーション&盛大な拍手を送り続けるので、5回くらいカーテンコールが行われたと思う。最後は、ファントムが手を振ってくれて閉幕となりました。

「こんな楽しみ方もあるんだなぁ」と、帰り道で胸がいっぱいになった。おいしいワインと食事、アートなどを楽しみながら、人生をエンジョイしているというフランス人たちよ。あんたら正解だよ。今日、私は演劇を観て、湿って暗くなった心が、パァッと一瞬で明るくなった気がする。

それにしても、拍手喝采をあんなふうに浴びられる仕事は、なんて幸せなんだろう。もちろん血のにじむような努力をされているのだろうけれど、生まれ持った美しい声や自分の才能を存分に発揮して、人を感動させられるのはとても羨ましい。

私は一体何に対してなら、劇団四季の皆さんのような情熱を注げるのだろう?時間のある時に、ゆっくり考えてみたい。