わたしはわたし👞

~国内外を転々としながら楽しい生活をめざして奮闘中~

淡路島の出稼ぎを楽しみにしている理由

私は自分のことが時々、いや、いつもよくわからない。淡路島へ出稼ぎに行くようになってから2ヵ月がたち、今では、出稼ぎの日が来るのをどこか楽しみにしているからだ。

出稼ぎの日は朝5時半に起床せねばならず、また朝8時半から夕方4時半くらいまで立ちっぱなしで、永遠と玉ねぎをネットに入れるという肉体労働。ほとんどデスクワークしかしてこなかった私にとっては、結構過酷。終わった後は毎回、全身のあちこちが痛い。にもかかわらず「あぁ、明日は出稼ぎだなぁ」とちょっとルンルンするのはなぜなのか。

私以外にも、インドに行くのがルンルンする人いますか!

それはきっと、あの出稼ぎに行けば、人と関わることができるからなのだと思う。いつもの集合場所へ行けば、一緒に作業をしたことのある何人かの顔見知った人たちが温かく迎えてくれる。作業の合間に雑談をしたり、一緒にお昼ご飯を食べたりすることもできる。フリーライターをしていると、取材以外は人と接することがほとんどない。毎日、ご飯はひとりで食べ、ほとんど人間と話す機会がない。自分が社会から分断されているように感じて、いつも孤独だった。出稼ぎをしている間だけは、この孤独から逃れられる。

それから、日本人→フィリピン人→香港人と多国籍の奥様をお持ちの66歳のおじさまが毎回いるのだけれど、たいへん興味深い。これまで、プログラミングの仕事、タクシードライバー、旅行会社の経営など、さまざまな経験をしてきたのだそう。職を失って無一文になり、友人の家を転々としていた時期もあるらしい。他にも、自分で会社を立ち上げて結構儲けたにもかかわらず、フィリピン人の奥さんに大金を持って行かれたとか、フィリピンでマフィアに殺されかけたとか、自伝を出したら絶対に面白いようなエピソードが満載なのだ。

人生経験が豊富なおじさまから何か学べないかと、私はいろいろと質問してしまう。

例えば、先日、聞いたのは以下のようなことだった。

 

Q. 若い人に何かアドバイスするとしたら?

A. なんでもトライすること。やってみて、嫌ならやめればいいじゃない。いろいろ経験すると、人間が強くなりますよ。

Q. Aの事業、Bの事業。どちらをするか迷うとき、どう判断する?

A. まず好きか嫌いか。好きだと長く続けられるでしょう。次に採算性。お金が欲しくて選んだものは、長く続かなかった。

Q. 人生なんとかなるもんなんですかね?

A.  なるなるなる。

 

このおじさま以外にも、面白い人はたくさんいる。昔、パン屋をやっていた人やピザ屋を開こうとしている人、子育てがひと段落して人生をエンジョイしている40代半ばの女性など。こういう人たちとの出会いも、きっと楽しいのだと思う。多分、ライターをしているだけだったら、この人たちとは出会えなかっただろう。

牛だって、生きるの大変です

けれど残念ながら、この淡路島の出稼ぎは、もうすぐ終わりを迎える。玉ねぎのシーズンが終わるからだ。それに「ここで足踏みをしていないで、次のステージへきちんと進みなさい」と、神様に言われているようにも感じる。

さて、私はここから、どこに進もう?