「どこかで心を落ち着かせたい」引越しして約2週間。なんだか疲れた・・・。俗世から離れた静かな広い場所へ行きたい。そして、超特急で過ぎていく時間を一旦止めたい。そうだ、お寺だ。こういう時はいつもお寺に行っていたんだ。非現実を味わえるよう家から少し遠くて大きめのお寺を探すと、「播州清水寺」を発見。車で1時間くらいなので、さっそく行ってみることにした。
このお寺は標高552mの山にあり、想像していた静けさの5倍くらい静か。車を降りた瞬間あまりにも静かすぎて、忍び足で歩きたくなったくらい。1800年前にインドの僧が開山したらしく、水神様に水不足をどうにかしてほしいと祈ったところ、霊泉が湧いたため「清水寺」と名付けられたのだそうです。
さっそく「展望テラス」があるので登ったけれど、この景色のどこを見ろというのか。消耗した体力を返してほしい。
境内は広くて自然が美しく、ただ歩くだけでも癒される。
この水面に顔を映すと、寿命が3年伸びると言われているらしい。
本堂でお祈りし、心が清められた気がした。
これは、本堂にいらっしゃるご本尊の手とつながっている紐らしく、しっかり握っておきました。新生活が順風満帆に行くよう、ひとつよろしく頼みますよ。
さらに、ここには開運の鐘があります。
賽銭は100円を入れるようにと書かれてある。鐘の維持費などかかりますもんね。皆さん控えめに鳴らしてましたが、運気が上向くよう、わたしゃ思いっきり「グアァァ~ン!!」と派手にならしておきましたよ。
照りつける太陽が体力を奪う。ベンチに腰掛けて、ひと休みすることにした。なぜかインドのシッキムで参った、チベット仏教寺院を思い出す。あの日も今日のように気持ちの良い天気で、ベンチにこうしてしばらく腰かけたっけ。
静かなところにいると頭が整理されるのか、色んな事が頭に浮かんでは消えていった。しばらく、もう何もしたくない。誰が何と言おうと、自分の好きなようにしたい。自分の好きな時に好きな場所へ行き、こうして好きなように書きたい。「この文章では”開放感”は伝わりませんよ!」などと、ライティング講座で先生に言われることなく。
旦那が船頭を務める「転勤」という名の船で激流を下り、訳の分からない場所にたどり着いたのだ。ここからは自分で船の舵を取り、自分のペースで航海したい。
なぜか大きな木に触れたくなった。パワーをもらえると思ったのかもしれない。すると、私の後にこの木を見たおばさまも、なぜか同じように木に触れていた。「ごくろうさま」と言いながら。
引越し疲れを取るために、私は自分に「グダグダしてもいい時間」をとりあえず1カ月与えることにした。その間は、ライティング講座の課題がうまくできなくて酷評されてもいい。中国語レッスンでうまく話せなくてもいい。
ただ、毎週土曜日に続けている王さんとの言語交換(中国語と英語を30分づつ話して、お互いに語学の勉強をしているんです)できちんと会話が成り立つよう、中国語の勉強だけは最低限することにした。王さんは、もはや私から日本語を学んでいないので、言語交換をするメリットはないはずなのに、いつも親切に中国語を教えてくれているのだ(泣)。
それを除いては、私にはしばらく静養が必要だ・・・。